テレビコ

テレビを見終わって なんだかむなしくなる
確かに笑っていたけれど 何を笑っていたのか

と、誰かが12年前歌っていた。不思議かな、今とても感じるようになった。
NHKで放送された「日本の、これから」をかわりきにネット上でちらほら『テレビとネットのありかた』について見る気がする。テレビの挑戦するメディアは終わった。とか、テレビにリテラシーがなくなった。とか、真実を隠し続けている。とか。
その番組内である一般の人から「ならの騒音おばさんについて聞いたら製作者は黙っていた。」という話、ネットで調べれば簡単に見つかることだけれど、じゃあ”それ”が真実なのか?というのは当事者でないとわからないんじゃないかと思う。そして、あの場にいる中でちゃんと記憶して話せる人間は1人か2人だけじゃなかったのだろうか?そこで全員だんまりをしたといえども仕方ない、当然と考えるべきではなかろうか。
それと「スポンサー=視聴率=番組製作≠視聴者」という考え。番組内である製作者は「今のテレビは視聴者の目を気にしすぎている」という発言も「スポンサーの間違えでは?」と簡単に反論をする。議論ではないなあ、とも思った。それを言いたいだけちゃうんかと。


先日、『テレビコ(http://www.tvco.tv/)』というサイトを知る。製作者と視聴者の架け橋を、と謳うサイト。
そこには、製作者の苦悩と本音を赤裸々に綴っている。NHK教育とフジテレビが手を組んだ「イチか?バチか?プロジェクト」のインタビューを見て本音を垣間見た。

「(視聴率を獲得するために) こうしたマーケティングを巧みに取り入れたのは、日テレさんが初めですね。視聴率三冠王を奪われるようになったのは、動態調査の分析により、ニーズにあった番組作りを行ったことが大きいと思います。そうして、やがて各局でマーケティングを積極的に取り入れるようになると、結果的に各局似たような番組が並ぶようになってしまった。それに満足できない一部の視聴者が、NHK BSやCSへ流れていってしまうのも、ある意味必然なのかなと感じています。 」


「もちろん僕らもマーケティングだけで番組を作っているわけじゃなくて、新しい番組を誰もが作りたいと望んでいるんですが、実際、他局も含めて目新しい番組はサッパリですよね。新規で15%取れる番組は年間に何本あるか。ほとんど1桁だったりして、やっぱり視聴率を得た従来の番組を踏襲するようなものが多くなる。それだと自分たちの足を食べているようなものですから、新しいものを投入していかないといけないのですが……。」


「でも夢は、翌朝発表される平均世帯特性別視聴率の全ての視聴者層で、トップに立つ番組を作ること。キッズ、ティーン、F1、F2、F3、M1、M2、 M3、世帯という9部門ごとの視聴率がわかるのですが、すべてにおいて1番になる番組ってそうそうないんですよ。オールファミリーで楽しめる番組というのは、やはり憧れですね。 」
+URL+http://www.tvco.tv/interview/index.php?action=detail&id=120

テレビを誰に向けて作るか。確かに民放局はスポンサーがあるかもしれない。
しかし、ちゃんと視聴者に目を置いて作らなければ何も始まらないのは当たり前の話で、番組を作る人間は1人でも多くの人に見てもらいたいと作る。そこでマーケティングを行った結果、番組にスポンサーがついてくる。本来のテレビのあり方はこうではなかろうか。
現代のテレビは「視聴率」と「マーケティング調査」というものを無視することはできない。というのならば、テレビの挑戦は終局に向かっているのだろうか。テレビは先人のように挑戦は出来ない。よって、昔を回顧する・・・それも挑戦のひとつではなかろうか。現代テレビ「欠落」という烙印を押されたとき、奮起し再びテレビの挑戦が始まることを願ってみたい。

「これはテレビ業界だけの問題ではありませんが、費用対効果ばかりに注目した論理が強くなり過ぎると、数字の論理を超えて冒険できる環境がなくなってしまう。 」

NHK×フジテレビの50年目の出会い 異文化の衝突と融合はなにを残すのか?#038イチか?バチか?プロジェクト〜若者の底力〜
+URL+http://www.tvco.tv/interview/index.php?action=detail&id=120


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