父、帰る

原題:VOZVRASHCHENIE
2003年 ロシア 111分 (ロードムービー?)


監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ
脚本:ウラジーミル・モイセエンコ/アレクサンドル・ノヴォトツキー
出演:ウラジーミル・ガーリン/イワン・ドブロヌラヴォフ/コンスタンチン・ラヴロネンコetc...


Story:

アンドレイとイワンは取っ組み合いの争いをして帰ると、父さんが帰ってきた。といわれた。2人は写真でしかその姿を知らないが、3人は湖に浮かぶ無人島へ旅行に行く事になった。弟・イワンは本当に父親なのかを疑い、兄・アンドレイも興奮して夜は寝れなかった。
そして、出かける時がやってきた。父さんは息子達に自分でやらせようとするがイワンは拒み、どんどん反抗的になっていく。そして、目的地にたどり着いた・・・。


思ったのは、何事も全てが終わってから気付くんじゃ最悪のバカだ。
『この旅行で絆を戻すというのか?』と思いながら見ていくと、あれ?という展開になっていく。
親父は親父で『親父というものはこういうのだ!』と見せるのに、子供は子供で『12年もいなかったくせに』となって弟はぐれるばかり。当然、本当に親父なのか信頼できなかったから、なんだろうけど・・・。ごねればいきなりバスで帰れ!と言ったり、周りに何もない場所で独り置いてけぼりにしたり・・・子供に指示をばかりして自分は見ていたりと、随所に『親父らしさ』というものがあったのはどの国も同じなんだなと思った。


肝心の内容はあまり言わないけども裏切りに裏切られた。最後はぽかーんとなりながらエンドロールを見る、しかしロシア語は分からない。映像や各所ではいるBGMなどはいいけど、ストーリーも映像と同じようになってるじゃないか!といえばいいのか。
まず、未だに親父が何している人なのかわからない。


しかしこの監督、これが初監督作品だとという・・・初監督でこんなもん作るのはすごい。
ものすごく印象に残るというのはあれかもしれないが、ずっと記憶に残っていると思う。"2001年宇宙の旅"とまではいかないけど、最後あたりはそれくらいのインパクトはあった。
「これは伏線だな」と思える箇所はたくさん用意されているけども、それを裏切られる・・・という意味では最高かもしれない・・・何もないからね。でも、だからといって「金返せ!」というのは無いと思う。それはそれで何もないからこそ自分の思ったものでいいはずだから。
サスペンスでも、ホラーでもないのに、ゾクゾクしたけどすごく時間が経つのが長いと思った111分だった。


帰って見た人はどう思っているのだろうとネットで調べるも、人気無さすぎ。2ちゃんで100レスも無いって何?東京は来週までだよ?
それと、いろんなところで『タルコフスキーっぽい』という話を見るけど、あまり見てないからなー。見なきゃ。


最後にどうでもいいけど、親父役の人がアーチェリーの山本博さんに見えてしかたなかった。すごいいい演技してたんだけど(´・ω・`)