かっこいい銀メダリスト

マイナーなスポーツだといわれても、バドミントンは年に1度はNHK教育で放送していたり、CSで世界ツアーを放送していたりする。カーリングもひっそりとCSでやっていた。しかし、セーリングやフェンシングというスポーツは日本のテレビとはご縁がないスポーツ。4年に一度のオリンピック、ましてや時間が空いているときに決勝を録画で流すくらいの扱い。
今回の太田選手の活躍と解説の方のこの機会にフェンシングを知ってもらいたい、見ることで触れてもらいたいという気持ちが伝わったいい機会のはずだ。ルールがわからなくても、そんなものは誰だって同じ。興味を持った時点で「にわか」であり、そこから触れるか否かは当人の思いしだいだ。それを日本勢初めてのメダルとBSでの生中継というチャンスをものにできたフェンシング(言い方は悪い)。準決勝後のコメントの「記憶に残るか残らないかが確定する」という一言が深く残った。決勝後のコメントの「男として悔しい」というものもそうだ。最後の太田選手の粘りはフェンシングを初めて見ていた人まで真剣に見てしまうほどのものがあったと思う。やっていれば見ていたが、真剣に初めて見た私がそうだからだ。
この銀メダルという結果に喜ぶ人は多いが、悔しがるのは彼一人かもしれない。4年後、フェンシングという競技を見たいと思う人はどれくらいいるかは計り知れない。しかし、今日の結果で4年後素敵な原石を発見できてその原石が活躍する姿をテレビで見ることができたらこれほどいいことはないと思う。マイナースポーツをテレビで見たいと思っている私のような人がそう願うだけかもしれないが。


立派な銀メダリストの準決勝と決勝を終えてのコメントを残しておきましょう。

準決勝後:
 これでちょっと、フェンシングをみんなに知ってもらうことができたという感じですね。
(メダルの)色が一つ違うだけで、国民の皆さんの記憶に残るか残らないかが確定する試合だと思うので、
今自分ができるすべての努力をして挑んでいきたいです

決勝後:
太田雄貴の話 (銀メダルに)率直に喜んでいいんじゃないですか。タフな試合が多かったけれど、
自分のパフォーマンスができた。ただ、決勝の相手は負け続けている相手だったので、男として悔しい。
+URL+http://www.sponichi.co.jp/olympic/flash/KFullFlash20080813039.html