[Sports]スポーツってなんだろうね。

バンクーバー五輪ではいろんな話があるけれど、フィギュアスケート男女シングルの「結果」についてはなんら文句のないというかこうだよね、そうだよね。という結果で終わった。それには本当におめでとうと言いたいです。
しかし、フィギュアスケートを競技と考えたら結果ではないところで不満が出てしまう。「人間の限界に挑むも」のという言葉が匹敵だろうか。


例えば、国母選手が服装問題で非難を浴びた男子ハーフパイプ。これには決勝に残った選手たちは自分が出せる最高の技を連続して行った。しかし、オリンピックには魔物が潜んでいるのかなかなか満足に出来る最高の演技が出来ない選手が続出した。その中、一度も失敗するこのなく、さらには、金メダルが決定したあとでも誰も出来ない技を炸裂させアメリカのショーン・ホワイトが金メダルを獲得したのは記憶に新しい。誰もが誰も真似できない、最高の演技をするために出てくるのがハーフパイプの面白いところとしてみていた。それは注目こそされなかったがエアリアルだってそう。こちらは2回の合計得点を争うのでいくら1本目で大幅なリードを稼ごうとも他の選手はメダルをかけ1本目以上の演技を次々と成功させてリードを稼いでいても手を抜くことが出来ない状況になっていた。
果たして、フィギュアスケート男女シングルはそうだったのだろうか?事の発端は男子シングル終了後の銀メダルを獲得したプルシェンコ


「4回転ジャンプができない選手が五輪の王者になることができるのか。これはフィギュアスケートではなく、氷上ダンスだ」


という発言。男子シングルでは4回転を飛ぶことで優勝争いに絡むことが出来る。というのが最近の流れでアメリカのアボットやフランスのジュベール、スイスのランビエール、もちろん高橋大輔もメダル候補と目されていた。大方の予想ではプルシェンコではあったものの、誰が優勝してもおかしくない。そんな楽しみの男子シングルであった。しかし、今大会で先に上げた選手は失敗した選手は成功した選手よりも多い印象を受けた。果敢に挑戦したものの、失敗をしてしまう。もちろん選手は4年に1度とあって悔いが残る結果になってしまったであろう。その中を4回転を跳ばずに金メダルを獲得したライサチェックに対しての物言いであった。
しかし、これは100%がライサチェックに向けた言葉ではない。難しい演技とその下のレベルの演技との採点に差がないシステムにも話が及んでいる。さらにいえば、プルシェンコだって4回転ジャンプを成功させて金メダルをとることは十分にあった。フリーの演技では転倒することはなかったが、ジャンプは軸がぶれ、綺麗な物とはお世辞でも言えないもので、そこを綺麗に飛べていれば出来栄えの得点(GOE)が伸びていれば1.31点差をひっくり返す事は十分に出来たはずなのだ。


では、女子シングルではどうだったのか。男子の4回転ジャンプは成功出来る選手が多いものの、女子のトリプルアクセルはオリンピックで初めて成功させたのは浅田真央であり、彼女は大会中3回成功させた。これは歴史に残る1ページではないんだろうか。
確かに、SPでの浅田真央キム・ヨナの演技の差はほぼ互角だと思った。2人の演技を見たときにはキム・ヨナが3点くらい上回ってフリーに挑む浅田という形式を考えていたが、結果は5点近くも離される結果。それも、最初のジャンプ構成と出来栄えの得点の差が大きく出ていた。3回転ジャンプの中で高難度のトリプルアクセルを飛んでもその後が2回転ジャンプではトリプルルッツと3回転ジャンプよりも基礎点が少なく、かつ大きくGOEで離される。とはいえど、3回転のあとに3回転を飛ぶ方が難しいこと、何よりキム・ヨナのほぼ失敗のない3Lo-3Tの技術は認める。しかし、そこまで基礎点の差が出るのはいかがなものだろうか。アクセルジャンプは飛んでも意味のないもの。という決め方は競技というものからかけ離れるものになってしまう。無難な演技をミスなくし、審査員から高評価を受ける・・・これはただのショーではないのか。
今シーズンの女子シングルに対しては、ジャンプの回転不足など他のことでも話がされているが今はプルシェンコの発言に対してということにして・・・。
フィギュアスケートのショーの中におまけとして採点競技がついているジャッジの方針であれば何も言うことはないが、オリンピックという競技の採点でこのようなことであればそれはなんともし難い物となってしまう。誰も4回転を飛ばなくなり、細かいミスでもしたら終わりになってしまうフィギュアスケート男女シングルという競技になって欲しくないために。
そういう楽しみを持てるものは(日本時間)日曜日に行われるエキシビジョンだけで結構。男子で4回転を成功した選手、失敗した選手に派手な演技を見せてもらいたい。もちろん、女子も、ペアも、アイスダンスも。